横須賀うみかぜ通信
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検査の簡単な説明
血液検査
血液を採取してその成分を測定することで、非常に多くの情報を得ることができます。 現代の医療では必要不可欠な検査と言えますが、絶対的な指標ではありません。 血液検査の正常範囲というのは、健康な人の95%がとる値です。 残り5%の人は健康でありながら血液検査は異常といわれます。 血液検査は相対的な指標なので健診などで異常値だと言われてもあまり心配せず、担当医師に相談することです。 医師は問診や身体所見などを組み合わせてその血液検査はあなたにどういう意味があるのか説明してくれるはずです。 また患者さんの中には“とにかく血を採って、体全部を調べてくれ”とおっしゃる方がいますが、採血項目は多岐にわたるため全ての項目を測定するのは不可能であり、また患者さんの利益にもなりません。 問診や身体所見、その他の検査から患者さんの病気を診断、治療するための過不足のない採血項目を医師は慎重に決めていきます。 ご理解をよろしくお願いします。
各血液検査項目について知りたい場合はこちらへどうぞ…… 各検査項目の正常範囲とその意味
尿検査
尿中の成分を調べます。 尿の酸性度(pH)、浸透圧、身体から尿中にもれたタンパクや血液、電解質、糖、腎臓から脱落した腎臓の成分を調べます。 腎臓病や腎盂炎、膀胱炎などの尿路感染症、糖尿病などがわかります。 尿路感染が疑われる場合、尿の細菌培養も行います。
糞便検査
便中ヒトヘモグロビン法は便中の赤血球の成分を調べます。 大腸にがんやポリープと言った病変があると病変部分は出血しやすいため、この検査で陽性となります。 この検査は通常3回行い、1回でも陽性なら異常と判断します。 大腸がん検診で用いられますが、痔などの肛門部の出血で陽性となってしまうことが多く、陽性だからといって、大腸がんというわけではありません。 便培養は腹痛、下痢などお腹をこわした状態で細菌が引き起こしている可能性がある場合に原因菌を特定するため調べます。
エックス線検査
エックス線検査は、エックス線という放射線を身体にあてフィルムに感光させて、身体の内部を画像として観察する検査です。 放射線をあてる検査のため、充分な問診や身体所見をとった後でどうしても必要なら行います*1。 当然ですが、子供や若い女性ではできるだけ避けなければなりません。 エックス線検査には単純エックス線検査、単純CT検査、造影CT検査、胃透視、注腸造影、胆管膵管造影等があります。 単純エックス線検査はいわゆる胸の単純写真とかお腹の単純写真と呼んでいるもので、外来で予約なしででき、情報量も多いのでよく行われます。 胸の写真でしたら肺炎、肺がん、胸水貯留、心不全、胸部大動脈瘤、お腹なら腹水、腸閉塞、消化管穿孔等の簡単なふるいわけができます。 CT検査は身体を輪切りにした画像がえられ、内臓の形態が非常によくわかります。 その情報量の多さは単純写真の比ではありませんが、当然被爆量は多くなりまた検査には予約が必要です。 胃透視はいわゆる胃のバリウム検査、 注腸造影は大腸のバリウム検査です。 胆管膵管造影が内視鏡を用いて行う検査で原則として入院の上行います*2。 検査の必要性については担当医師とよく相談し説明を受けてください。 妊娠の可能性のある方は申し出てください。
*1最近、イギリスの医学雑誌ランセットに 放射線検査によると考えられる悪性腫瘍(がん)の発生が先進国中で日本が一番多いとのショッキングな報告がされています( Lancet 2004; 363: 345-51)。
*2この検査は侵襲の大きい検査のため、最近ではMRCPという侵襲のない検査を行うようになっています。
超音波検査
超音波検査はもともと魚群探知機や潜水艦のソナー技術を応用したものです。 エックス線検査のように放射線被爆がなく、また侵襲性もないすぐれた検査で、心臓や腹部の診断や治療になくてはならないものです。 現代の聴診器と呼ぶ人もいます。 心エコー検査では弁機能や心拍出量などの心機能の評価が、腹部エコー検査では肝胆膵腎疾患、腹水、腸閉塞等の診断が可能です。
生理機能検査
生理機能検査は、心電図、 ホルター心電図、 マスター心電図、 トレッドミル検査、 呼吸機能検査、 視力聴力検査、 筋電図検査等があります。 心電図、 ホルター心電図、 マスター心電図、 トレッドミル検査では狭心症、心筋梗塞、不整脈、心膜炎の診断が可能です。 呼吸機能検査は喘息や慢性閉塞性肺疾患、睡眠時無呼吸症候群等の診断と治療評価に用いられます。 筋電図検査は神経内科領域の疾患で行われます。
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